映画「劇場版モノノ怪 唐傘」ネタバレ感想

映画感想

あらすじ

文字を書く才を生かしたいアサ。
天子の寵愛を望む天真爛漫なカメ。
二人は同時期に大奥にあがった新米女中である。

大奥の女性になるためには、自分の大切なものを井戸に捨てなければならない。
そして井戸の水を全員で飲むのだ。
不味かった水にだんだんと戸惑わなくなり、彼女たちは大奥になじんでいく。

優秀なアサは着実に職務をこなし、大奥の実力者である歌山のお眼鏡にかなう。
一方、野心を抱いているが注意散漫なカメは失敗続きで、先輩女中たちから虐げられる。
正反対の二人であるが、お互い気の許せる仲として信頼し合っていた。

ある時、個室を与えられたアサは、前の住人だったという北川という女中の訪問を受ける。
実のところ、北川は2か月前に大奥から姿を消していた。

モノノ怪の気配を感じた薬売りは、大奥へ乗り込む。

感想

「モノノ怪」はもともと2007年にテレビ放映された全12話のアニメ作品です。
私はリアルタイムではなく、ニコニコ動画で全編公開されたときに見ました。
印象に残っているのはストーリーよりも特徴的な作画と演出、そして「天秤」「退魔の剣」「ハイパーさん」や決めポーズ、決め台詞的なものです。

はいほ
ゲノコ

この動画の影響もあるかもしれません。

このたび超久しぶりに薬売りさんと再会しましたが、第一の感想としては「やりたい放題やなこだわりぬいたな」というものでした。
映画の予告編では普通、作品の強烈なシーンをもってくるものですが、「劇場版 モノノ怪 唐傘」の場合は予告動画のテンションとクオリティが90分続きます。

端々までみっちり描かれた背景、細かいカット割り、繊細な効果が最後までまったく落ちることがないんです。

テレビ放映されたときより3Dの技術が上がっているからでしょうか、上下左右奥行きの動きが大きく、圧巻でした。

色使いはよりキッチュになり、薬売りさん、退魔の剣、天秤、ハイパーさんなど印象は変わらないものの、かなり色彩豊かにバージョンアップしているように感じました。

こういったグラフィックの見事さから私は「前衛美術の映像作品」のようだと思いました。

ストーリーについては、前評判で「女の情念」云々が取り沙汰されていましたが、私が思うに大奥が舞台であるために女性の登場人物が多いだけで、むしろ性別関係なく、組織に個性をつぶされた人々、いわば「社畜哀歌」だと感じました。

とはいえ、三郎丸が慟哭した意味がつかめませんでしたし、天子とフキについてはまったく物語に絡んできませんでしたので、続編の「火鼠」でまた新たな展開があるのかもしれません。

ところで令和の薬売りさんは2007年とは別人だそうです。
退魔の剣も64本あるそうで、テレビシリーズと同じものではないらしいです。

はいほ
ゲノコ

でも天秤ちゃんたちが箱からいっぱい出てきたときは懐かしさでいっぱいだったし、退魔の剣が歯をかっちーんとしたときはうれしかったです!

はいほ
ゲノコ

ハイパーさんがよりたくましくなっていてテンションが上がりました!

ノベライズ版があります!↓


コミカライズ版もありました!↓

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