映画「ルックバック」ネタバレ感想

映画感想

ゲノコ
ゲノコ

予告編を見るだけで涙ぐむ体質になってしまった……

↓音楽もステキでしたね……


 

あらすじ

自他ともに「絵がうまい」と認める小学4年生の藤野は、学級新聞の4コマ漫画で評判を得ていた。
しかし隣に掲載された不登校児、京本の漫画の完成度に衝撃を受ける。
京本のうまさに圧倒された藤野は、努力するも心が折れ、絵を描くことをやめてしまう。

卒業式の日、京本の家を訪れた藤野は、京本が藤野の漫画に感動し、尊敬していたことを知る。
京本の態度に刺激された藤野は再び漫画を描き始め、引きこもりがちだった京本も外の世界に踏み出す。

共に漫画制作に打ち込むようになった二人は、漫画雑誌の賞を取り、賞金を得る。
二人で街に繰り出したある日、京本は本屋で美術の本に触れ、絵の美しさに深く感動する。
やがて京本は美術大学への進学を決意し、藤野とは異なる夢を追求することになる。
藤野は漫画家としての道を歩み始め、京本は美術大学で学ぶことになり、二人の関係は疎遠になる。

都会に出て漫画家として活躍する藤野は、京本が大学で通り魔事件に巻き込まれ命を落としたことを知る。
故郷に帰り葬儀に参列した藤野は京本の部屋で自分に関する多くの品々を見つける。
藤野は、京本が描いた4コマ漫画を持ち帰り、作品制作を続けることを決意する。

↓原作のコミックです


 

感想

「ルックバック」はわずか55分の作品です。
しかしこの短い時間でこれほど心を深く揺さぶる映画を私は他に知りません。

この映画は、二人の少女、藤野と京本の無垢な野心を描いています。
二人はただひたすらに絵が上手くなりたい、漫画を描きたいと願い、夢中になって取り組んでいます。
その様子を見ていると、幼少期に何かに夢中になった自分自身の記憶が蘇り、胸が熱くなります。
かつて夢を共に追いかけた友人たちは今どこにいるのでしょうか。
成長した私たちは、繋がれた手がいずれ離れることを知っていますが、それでも藤野と京本が楽しそうに駆けていく姿には、切なさとともに応援したくなります。

この映画は、「描く」ことに情熱を注ぐ人々だけでなく、かつて何かを夢見たすべての人々に、苦さと甘さを感じさせるでしょう。

さらに、京本の悲劇的な運命は、過去に起きた京アニ事件や京都精華大学での通り魔事件を思い起こさせます。
将来花開くはずだった命が理不尽に奪われた悔しさ、もし当時違う選択をしていれば阻止できたのではないかという後悔。
それでも生きていく人間の強さが、描き続ける藤野の姿を通じて強く感じられます。

「ルックバック」というタイトルには、過去の経験、成長、変化などを「振り返る」と、喪った人の愛や想いを感じながら生きていくという「背中を見てくれる人がいる」の二つの意味を兼ねているのではないかと思いました。

ゲノコ
ゲノコ

藤野が京本の才能に刺激されてがむしゃらに絵の特訓に励むシーンを見て
最近自分が送っていたなんとなくの生活を反省しました。
初心を思い出すというか……。
日常の忙しさで忘れがちな情熱を思い出させてくれる作品です

↓映画で藤野が教本として使っていた本です。
私もかつて全頁模写しました。



↓こちらも有名な本です。


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