ミュージカル「忍たま乱太郎 第12弾 まさかの共闘!? 大作戦!!」ネタバレ感想

忍たま乱太郎考察関連 雑記

ミュージカル「忍たま乱太郎」第12弾初演と再演が、ニコニコ生放送で配信されました。
今回の内容は、土井先生の過去に深く関わるものです。
ご存じの通り、年末には「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」という映画が公開予定で、こちらも土井先生がメインとなる物語です。
もしかすると、ミュージカルで描かれた過去が映画とも関係してくるかもしれません。

はいほ
ゲノコ

アニメ「忍たま乱太郎」で、キャラクターの顔と名前が一致する程度のライトな層として見た感想です

あらすじ

ドクダミ城の近くで、二つの城が対立し始めた。
まだ戦争には至っていないが、一方の城が有利に立つため、ドクダミ城を奪おうと謎の忍者隊を雇い、攻撃を仕掛ける。
その忍者隊は非常に強く、残酷な戦い方をするため、ドクダミ城に属するドクタケ忍者隊は危機感を募らせ、普段は敵対している忍術学園に助けを求める。

ドクタケの言い分は、戦が起きれば、二つの城とドクダミ城の中間地点にある忍術学園も戦場に巻き込まれるのは避けられないため、共闘するのが最善だというものだった。
忍術学園はその提案を受け入れる。

ドクタケから聞いた謎の忍者隊の特徴をもとに、土井半助はその忍者隊が、かつて自分が所属していた「カエンタケ」であることに気づく。
こうして、ドクタケ忍者隊と忍術学園は手を組み、カエンタケに立ち向かうことになる。

一方、乱太郎、きり丸、しんべヱは行商人のおよね(鵺)と仲良くなるが、実は彼女は「カエンタケ」の首領で、忍術学園の内情を探っていた。
やがて、きり丸がさらわれるが、忍術学園とドクタケ忍者隊は協力してカエンタケを倒し、きり丸を救出。
最終的に、彼らは共闘して勝利を収める。

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感想

温度差のある芝居

乱太郎、きり丸、しんべヱの3人組が歌い踊りながら登場する冒頭は、まるでディズニーのような楽しさと可愛らしさです。
しかし、その明るい雰囲気から一転、炎に包まれた屋敷と一家惨殺のシーンが続き、驚きました。
土井先生の過去が非常にダークであるため、このような演出は避けられないものですが、その落差に衝撃を受けました。

学園生たちの賑やかさや、ドクタケのユニークさは第11弾と同様ですが、今回は土井先生の苦悩や冷酷無比なカエンタケとの因縁、それぞれのキャラクターが抱える感情がより重くのしかかっていました。

はいほ
ゲノコ

コミカルな場面とシリアスな場面が交互に現れ、

その急激な切り替わりがまるで反復横跳びのようでした

守る者と守られる者:土井先生と山田先生、そしてきり丸の絆

土井先生の過去を知っている山田先生が、何度も土井先生を気遣ったり、彼を「半助」と呼ぶシーンからは、二人の間にある強い絆が伝わってきました。
その絆は、まるで親と子、あるいは家族のような深いものであり、二人が単なる同僚を超えた、かけがえのない存在だと感じます。

そして、かつて山田先生に守られていた土井先生が、今度はきり丸を守る立場となり、自分の命をかける覚悟をします。
その決心に気づいたきり丸が、涙ながらに止めようとするシーンは特に感動的でした。
土井先生にとって、きり丸は家族を失った者同士として特別な存在であり、彼に対して抱く感情は非常に深いものです。
一方で、きり丸にとっても、土井先生は単なる教師ではなく、家族のような存在となっており、このシーンではお互いにとっての特別な絆が感じられました。

はいほ
ゲノコ

伝半ときり土井の二派に分かれそう

カエンタケの首領である鵺の歌声は圧巻でした。
彼女の力強く美しい歌声が響き渡った瞬間は忘れられません。
第12弾の楽曲は、CDでも楽しめますので、ぜひチェックしてみてください。
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土井半助が忍者になった経緯

今回の舞台では、土井先生に大きく焦点が当てられており、彼の過去が明らかになる重要なシーンが印象的でした。

はいほ
ゲノコ

土井先生が抜け忍だったのは知っていたけど、

まさか所属していた忍者隊があんなにこわいとは……

 

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(カエンタケの装束姿の先生も見たいです)
(ポニテで)

はいほ
ゲノコ

ここから土井先生がどのようにして忍者になったのか

その壮絶な過去と考察を書いていきます

壮絶な過去とカエンタケ忍者隊

一家皆殺しの夜襲

カエンタケ忍者隊はある屋敷に夜襲を仕掛け、住人を次々と殺しました。
屋敷の主人は下男に幼い息子を託し、カエンタケと戦おうとしますがまったく敵わず、父親と下男はあっさりと命を奪われます。

はいほ
ゲノコ

舞台では、土井先生にそっくりのお父さんが登場します。
彼の衣装から高い身分であることが一目でわかります

 

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カエンタケによる育成

カエンタケの統率者である鵺は、反対する仲間たちを押し切り、残された赤ん坊に「夜霧」と名付けて育てることを決めます。
夜霧は厳しい訓練を受け、忍術を身に付けます。
しかし成長した夜霧はカエンタケの盗賊行為に嫌悪感を抱きます。
そして、彼はカエンタケを抜け出し、追われる身となるのです。

原作とミュージカルの違い

原作では、土井半助が寺に身を寄せたと説明があり、水干に袴を纏った少年の姿が描かれています。そのことから幼少期に夜襲に遭い、家族を失ったと考えられます。
また、忍術と関わりあいの強い山岳仏教(修験道)の存在も示唆されています。

一方、ミュージカルでは、土井先生は赤ん坊の頃からカエンタケに育てられ、忍術を教え込まれるという設定になっています。
忍術学園の生徒たちは、土井先生が僧に化けるための変装の術や高い学識を得るために、寺で過ごして仏教に触れたことが、彼の人格形成に影響を与えたのではないかと推測しています。

はいほ
ゲノコ

いずれにせよ、土井先生と仏教の関わりは非常に深く、彼の成長に大きな影響を与えたことが伺えます。

アニメとミュージカルの違い

アニメでは、抜け忍となり追われた土井半助が崖から転落し、たまたま野遊山(ピクニック)に来ていた山田一家の頭上に落ちてくる場面が描かれています。
苦無を構えて追手の忍者に対抗しようとするものの、怪我で動けない土井半助を山田伝蔵が守り、家に連れ帰って治療します。

一方、ミュージカルでは、カエンタケに追い詰められた夜霧が、彼らが自分の実家を襲い、家族を殺した張本人だと知らされ、パニックに陥ります。
その後、夜霧は斬られて崖から転落し、カエンタケは彼が死んだと思い込みその場を離れます。
川辺で倒れていた夜霧を山田伝蔵が発見し、意識を失った彼を利吉と協力して家に運び、療養させます。

ゲノコ
ゲノコ

いずれのバージョンでも、「何も言わなくていい」という山田伝蔵の言葉が、どれほど土井半助に安心感を与えたか

考察:土井先生の過去とカエンタケ

ミュージカル「忍たま乱太郎」第12弾を見て感じたのは、土井先生の過去が、まるでカルト教団に育てられた子どもを連想させるという点です。
カエンタケ忍者隊の首領である鵺が、手ずから「夜霧」と名付けて土井先生を育てたことには、確かに愛情があったように思えます。
しかし、あの集団の不健全な性質を考えると、二人の関係を温かいものと単純に捉えることは難しいです。

夜霧が幼い頃、鵺は母親や姉のような存在だったことは確かです。
幼い子どもにとって、自分を取り巻く大人や環境がすべてであり、それ以外の選択肢は存在しません。
鵺は夜霧に厳しくも愛情をもって忍術を教えたかもしれませんが、そもそもカエンタケが屋敷を襲わなければ、夜霧(=土井半助)は豪族の若君として育ち、泣きながら忍術を学ばされることもなかったのです。

家族のいない子どもを引き取って育てることは、一見、愛情と保護の表れのように思えますが、鵺がその弱さを無意識のうちに利用してしまった可能性もあります。
この意味で、鵺がきり丸を手元に置いたことには不気味さを感じます。
忍術学園の生徒たちは、夜霧の兄弟子たちも孤児だったのではないかと推測しています。

さらに、カエンタケが土井先生を「夜霧」と呼び続け、一度も「土井」や「半助」と呼ばないことから、彼らは土井先生の名前=アイデンティティまでも奪ったように感じます。

はいほ
ゲノコ

土井先生が「土井半助」として生きるようになったのは、山田伝蔵に助けられたときに便宜上つけた名前であり、本名ではないのではないかとも考えています

夜霧が成長し、カエンタケに疑問を抱いて抜けたことは、彼が自分軸を取り戻すための大きな一歩でした。
もし夜霧が自分の違和感を無視し、鵺への恩義や情に縛られていたなら、自分で判断する力を失って他のカエンタケの忍者たちのようになっていたかもしれません。

ミュージカルの最後で、土井半助が傷ついた鵺に向かって「鵺様!」と切なげに叫ぶシーンは非常に印象的です。
彼が完全には呪縛から解放されていないからです。
しかし鵺を慕っていることは明らかでありつつも、彼は新しい人生を歩んでいます。
その新たな道を切り開くきっかけとなったのは、山田伝蔵との出会いです。
もし山田伝蔵に出会わなければ、土井半助の運命は大きく異なっていたかもしれません。
彼の過去の暗さに対して、山田伝蔵との出会いは光であり、幸運だったのだと思います。

 

こちらの記事では、土井先生の生い立ちから忍術学園を退職した後の人生まで、時系列に沿って詳しくご紹介しています。
ぜひご覧ください。

「忍たま乱太郎」の土井先生の過去がすごかった
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