怪異体験は特にないものの、一人暮らしを始めてから家にまつわる怪談話に苛立ちを感じるようになりました。
面倒な不動産取引を乗り越えようやく新居に越したのに、もし怪異が現れたら誰だって「おんどれ、ふざけんなや!」ってなりませんか?
こっちはこの家に住むためにお金を払っていますからね。
そんな理不尽さに納得できずにいたところ、映画予告編の痛快なセリフ「祓って済ませるつもりはねえ、地獄送りにしてやるんじゃ!」に強く共感し、これは見逃せないと映画館に足を運びました。
あらすじ
神木家が引っ越してきた夢のマイホームは呪われていた。
怪異によって家族が次々と命を落とし、最終的に中学生の長男・則雄と認知症の祖母だけが生き残る。
則雄が恐怖に震える中、突然覚醒した祖母は家族を奪われたことへの復讐を宣言する。
怪異に対抗するため祖母は則雄に厳しい身体トレーニングと栄養満点の食事を施し、彼を強化する。
やがて祖母は、怪異の正体がかつてこの家に住んでいた少女・サユリの怨霊であることを突き止める。
サユリは自身の家族に殺され、庭に埋められていた。
その事実を知った祖母はサユリの家族を拉致し、則雄と共に家に運び込む。
二人はサユリに家族への怨みを晴らさせ、怪異を消滅させることを試みる。
舞台挨拶と応援上映
映画「サユリ」の鑑賞日は9月19日で、偶然にも応援上映と舞台挨拶が行われる日でした。
初めてのサユリを応援上映で
「ゲンキハツラツ!!」
「バッキー!ストップ!!」 pic.twitter.com/YgcoL7pjNN— ゲノコ (@guenopon) September 19, 2024
映画館からはタンバリン、鈴、サイリウムが提供され、一層の盛り上がりを見せました。
登壇したのは、監督の白石晃士さん、原作者の押切蓮介さん、ばあちゃん役の根岸季衣さん、サユリ役の久保遥さんです。
彼らはモノクロで統一されたおしゃれなコーディネートで登場しました。
役柄を離れた根岸さんは言動がチャーミング。
久保さんは存在そのものがかわいらしかったです!
舞台挨拶では、押切さんが誕生日であったことから「45年で最高の誕生日」と喜びを述べていました。
根岸さんは映画が家族や友人に好評であったこと、久保さんは撮影のための早朝からの長時間の準備が大変だったことを話しました。
面白いエピソードとして、神木家父役のきたろうさんが久保さんの自前の腕を特殊メイクだと勘違いして「よくできてるね」と感嘆していたことが紹介されました。
また、白石さんが何かと銭の話をしてて楽しかったです。
さらに、押切さんの水彩画が当たる抽選会も行われ、外れた観客からの「あーあ」という嘆き声が和やかな雰囲気を演出しました。
ネタバレ感想:「サユリ」は元気になる映画
初見が応援上映で少し不安でしたが、実際に体験してみると、これが非常に良かったです。
というのは映画の前半部分が想像以上に恐ろしく、ジャパニーズホラー特有のねちっこく湿っぽい雰囲気が苦手な私がもし一人静かに見ていたら多分、無理だったと思うからです。
しかし、応援上映では、観客がツッコミを入れたり、シーンに合わせてタンバリンを振る人がいたりして、恐怖がかなり和らぎました。
みんないるっていう安心感??
序盤がサユリの一人勝ち状態だったのに対し、祖母が覚醒してからの後半は疾走感が格別でした。
興味深いのは、祖母が選んだ怪異への対抗策が、超自然的な力ではなく、まさに生命力そのものだったことです。
彼女のアプローチは、「しっかり食べて、しっかり体を動かして、しっかり眠る」という、ごく基本的な生活に基づいていました。
祖母の「命を濃くしろ!」というセリフは、ホラー映画の枠を超えて普遍的なメッセージを伝えています。
サユリは人々の不安を煽り、心が弱ったところをついて力を増していきました。
ネガティブな思考は不健全な生活から生まれがちです。
祖母は日常生活を見直し、心身を強化することで怪異に隙を与えないようにする戦略を取りました。
気力と体力がしっかりしていると、困難に直面した際にも冷静に対処するための余裕が生まれます。
これは、映画の中だけでなく、実生活における重要な教訓としても価値があると思いました。
体を鍛え、食生活を見直し、早寝早起きを心がけ、部屋の掃除をしよう
映画を見終えた後の私はまるでホラー映画を見た後とは思えないほど前向きな気持ちに満ち溢れていました。
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