「キタヨー」
「ゲゲゲゲゲー」 pic.twitter.com/UN4gq6aCEu— ゲノコ (@guenopon) December 2, 2023
あらすじ
昭和31年。
血液銀行に勤める水木は、野心を胸に哭倉村へ向かう。
そこは大手製薬会社社長の一族、龍賀家が支配する土地だった。
水木の目的は龍賀家に取り入り、革新的な妙薬「M」を手に入れること。
一方、哭倉村には鬼太郎の父も現れる。
彼は行方不明になった妻を探し求めていた。
二人は龍賀家の跡目争いと連続殺人に巻き込まれる。
彼らはそれぞれの目的を達成するために協力することになり、一族の秘密や怪異に挑む。
感想
あらすじを読んでおわかりいただけると思うんですが
ストーリー半ばまで横溝正史の金田一シリーズのような趣です。
日本の伝統的ないやらしさを煮詰めたような旧家のアレコレ……絶対君臨する当主、奇妙な慣習、よそ者への敵意、陰湿な家族関係などなど。
鬼太郎の父、ゲゲ郎は人間ではなく幽霊族なのですが、そんな怪異を抜きにしても十分おそろしかったです。
もう一人の主人公、水木は戦争帰りで、顔に傷跡があり、心にもトラウマを抱えてしまっています。
彼が時折苦しむフラッシュバックでは悲惨な戦いよりも日本軍上層部のクソさが印象的でした。
(上官のクソな言動に虚無る水木の表情が実によい)
実に「日本」って感じの閉塞的な空気に息がつまりそうになります。
物語が進むにつれて明らかになる村の真実がめくってもめくってもクソクソクソ。
昭和のサスペンスものを見ているみたいな気持ちになりました。
しかし途中から「ゲゲゲの鬼太郎」になるんです。
豹変ぐあいがさすがです。
ちゃんちゃんこ出現に興奮!
しましまになったー!
私、原作の1巻を持っているのですが、映画とちゃんとつながっていて感嘆しました。
これから見る人はエンドロールの左サイドを注目してほしいです!
それにしても……
タバコの煙で白く濁った職場、汽車。
子どもの前でも躊躇なく吸われるタバコ。
ガラス製の重厚な灰皿。
和室に飾られた一族の遺影群。
木彫りの熊。
王将。
「昭和」が細かく丁寧に描かれていました。
水木のキャラクターが絶妙です。
イケメンではあるけれど、美形すぎず、どこかくたびれています。
若い女子に好意を寄せられても決して心を動かされず
むしろ暖かな感情を持つことを諦めてしまった男。
気が強く、なのに基本弱っちくてすぐやられちゃう。
けれどここぞというときには負けん気を発揮する彼はとても魅力的というか
ほっとけないというか、なんか心くすぐられます
そりゃゲゲ郎も、「友よ お主が生きる未来 この目で見てみとうなった」って言っちゃうよねって思いました。
妙に色っぽかった浴衣姿がキーホルダーになってますよー♪
入村以来、忘れがたく、考察ページを作りました。
もしよければこちらもご覧ください
音楽は川井憲次さんです
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