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その中で私が特におもしろいと感じた本を紹介していきたいと思います。
参考になればうれしいです
失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織
タイトル通り「組織」論ですが、「個人」にもあてはまる箇所がありました。
抜粋して書いていきます。
要点
成功へ近づくために必要なこと
- 失敗にこだわる
「間違い」に意識的に向き合う - 「質」よりむしろ「量」
アイデアがどれほど優れていても、実際に試行錯誤しないと成功へは近づけない - 「客観的なデータ」で分析する
結果を直感で判断しない
上記3点をそれぞれ説明すると……
1失敗にこだわる
「間違い」に意識的に向き合うほど、後々の正解率が上昇する。
「結果」を振り返って、軌道修正し、行動を改善することの繰り返しで成功に近づいていく。
2「質」よりむしろ「量」
「質」にこだわって、頭の中で考える時間をたくさんとるより
多くの「量」を作って成果を検証し、試行錯誤を重ねることで、最終的に質の高いものができる。
積み重なれば驚くほど大きくなる。
「一発逆転」ではなく、「百発百転」を狙う
3「客観的なデータ」で分析する
人は「自分の信念」と「事実」が矛盾していると、自分が間違っていると認めるのが難しい。
そのため、「事実」を自分に都合よく解釈してしまうことがある。
また、「生の声」や「エピソード」などは、うまくいった例だけが挙げられているので惑わされてはいけない。
雑感
失敗をしたらどういう態度をとるか、それがどんな影響を及ぼすか。
例を挙げて、いろんなケースが説明されています。
それは実験で得た結果だったり、社会の慣習による現状だったりするのですが
なかでも医療業界に関する記述は、かなり手厳しいと感じました。
医療業界では「完璧でないことは無能に等しい」という考え方が根付いていて
「失敗は不名誉」なのでミスが起きたことを認めず、原因の調査をしたがらないと書かれています。
また、言い逃れの文化がはびこっており、「最善を尽くしました」で終了してしまうとも。
たとえば、手術で患者に望ましい結果が出なかった場合。
本書に記されたある事例では、患者のラテックスアレルギーに気が付かず、ゴム製の手袋をつけたまま手術する医師が登場します。
助手的立場の人が症状に気が付いて進言しますが、医師は「そんなはずはない」と言うことを聞かず、手術を続行し、患者は死にかけてしまいます……。
幸いなことに助手がしつこく指摘し続けたため、医師はようやく(半ギレ状態で)手袋を外し、患者は命をとりとめたのでした。
しかしもし最後まで医師が意見を受け入れなかったら、患者はどうなっていたでしょうか?
そして医師は死因をどう説明するのでしょうか?
「全力をつくしたが不測の事態だった」「避けようがなかった」とかいいそうで震えます。
医療過誤による死亡者は年間40万人以上だそうです。
病気や怪我で死ぬならまだしも……。
医療業界の比較対象として航空業界が挙げられています。
航空業界では事故が起きると徹底的に調査し、原因を突き止めようとします。
そして調査の報告書は世界中のパイロットが自由にアクセスできるのだそうです。
彼らは失敗から学んでシステムを改善していくのですね。
航空機の事故は100万フライトで0.23回なのだそうです。
ミスに対するアプローチ法の差が数字に出ているのかもしれません。
まとめ
失敗にこだわらない
過去を振り返るな
なんて言葉がかっこよく感じた時期がありました。
しかし振り返ってみると「やった」だけに満足して結果をかえりみず
やりっぱなしになったことがいくつもあるのでした。
本来は、結果に注目しないといけないのですね。
ただし、うまくいかなかったことに悔いてメソメソするのではなく
失敗をフィードバックだと考えて分析し、これからの行動の指針とすることが大切なのですね。
深刻にならず、真剣に。
フィードバック、訂正、改善、軌道修正。
とにもかくにも「試行錯誤の積み重ね」に尽きるようです。
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