かねてから噂の18話がきてしまいました……
タイトル「Despair」(絶望)
#Supernatural Tonight, watching Cas talk to Dean, I got lost in the story and forgot for a moment that I'm the one who plays that angel and I thought, "He's how I want to be. He's openhearted and he's selfless and he's true."
— Misha Collins (@mishacollins) November 6, 2020
Twitter界では恒例の##Supernaturalタグよりも
#DestielCanonが上位に表示されてましたね。
ディーンとカスティエル。
出会って11年、彼らのゴールは……
逐一感想
消えていく仲間たち
爆発寸前になったジャックは、死により虚無へ送られてしまいます。
虚無の中で爆発をしたジャックは死ぬことなく、再び死によって
この世に連れ戻されます。
死はサムから取り返した神の書物を確認して
ジャックが必要だと思ったようです。
しかしディーンが死の鎌を奪い取って襲い掛かり
傷ついた死は姿を消してしまいます。
ジャックはディーンたちの元に留まることができました。
ですが、異次元から来た仲間たちが次々と姿を消していきます。
やがてエイリーンまでが消えてしまいました。
サムはショックを受けながらもなんとか気力を保ち、
残された仲間たちを安全な場所に匿うことにしました。
ディーンはカスティエルと共に死と対決しに行き、
サムはジャックとドナと一緒に仲間たちを地方のサイロへ集めました。
あらゆる呪文を使い結界を張ったはずでしたが
努力もむなしく仲間たちは消えてしまいます。
なんとドナさえも。
サイロを出たサムとジャックは
この世界の人々までも消えてしまっていることに気が付くのでした。
死との対決
死の書庫に乗り込んだディーンとカスティエルですが
死から反撃を受け、鎌も取り返されてしまいます。
死はディーンに切り付けられたことが致命傷になり、
自分がほどなく滅してしまうことを告げます。
その前に唯一の希望……ディーンが死ぬところを見るために
死は二人を追い詰めます。
ディーンとカスティエルはバンカーの倉庫
(クラウリーがしょっちゅう閉じ込められてたところですね)に逃げ込みました。
カスティエルが血文字で扉に呪文を書き、死をブロックしたものの、
突破されるのも時間の問題です。
ディーンは絶望し、チャックを殺せず、怒りに駆られてビリーに挑んたせいだと自分を責めます。
絶体絶命の状況の中、カスティエルは虚無を召喚することを決めました。
カスティエルはかつてジャックを救うために虚無とある取引をしていました。
真の幸せの瞬間を体験すれば、虚無が彼を永遠に連れ去ることになっているのです。
戸惑うディーンを前に、カスティエルは愛の告白をしました。
ディーンに愛を伝えたカスティエルは死と共に虚無に包まれ、
飲み込まれてしまったのでした。
自分勝手な見どころ
Hello, Dean
虚無に包まれていくカスティエルは、
初登場時の翼を広げた姿をほうふつとさせました。
その時のカスティエルは、無表情かつ威厳のある雰囲気で、
どことなく人形めいていましたが、
今回は幸せそうに微笑んでいました。
初めてディーンと話した時、やはり表情がなく
まるで死体が動いているかのようでしたが
(私は行き倒れのサラリーマンが乗っ取られたと本気で思ってました)
愛の告白をするカスティエルは涙をたたえながら
想いを伝えようと、せつせつと言葉を紡いでいました。
そして虚無が現れる直前、カスティエルは血濡れた手でディーンを
突き放します。
ディーンの左肩にはべったりとカスティエルの手形が……。
それはディーンを地獄から引き上げる際に跡をつけたのと同じ位置。
I love you.
Goodbye, Dean
カスティエルは虚無と取引をするまでおそらく
自分の幸せについて考えたこともなかったのではないでしょうか。
言い換えれば、虚無こそがカスティエルに幸せという概念を教え
考えさせるきっかけを与えたのではないでしょうか。
Happiness isn’t in the having.
It’s in just being.
It’s in just saying it
カスティエルがディーンを好きだというのは
皆が知っている事実ですが
ディーンは周囲ほどカスティエルの愛の深さを
認識していなかったと思います。
自己評価がとてつもなく低く、愛されている事実を受け入れがたい人ですから。
愛を手に入れることはできなくても
愛し、言葉にすることはできる。
ディーンに愛を伝えたカスティエル。
愛されることではなく、愛することに幸せを見出した天使。
カスティエルを虚無に連れ去られ、
一人残されたディーンはこれからどうなるのでしょうか……
異次元のディーンがカスティエルを失って
空っぽになっていたのを思い出すと少し心配です。
(そして異次元のサムも同じくエイリーンを失って、
空元気になっていたのも思い出して倍増する不安)
雑感
正直、ここまではっきりとした形で
カスティエルの愛が表現されるとは思っていませんでした。
さまざまなドラマを見ていると、
異性愛者だった女性キャラが途中で同性愛者に変化することはあっても
男性のケースはほとんどなく、今のアメリカでは男性同士の恋愛には
厳しい現実があるのかなと感じるからです。
カスティエルは天使なので無性という逃げ道もありますが
ディーン役のジェンセンさんはカスティエルとディーンの恋愛要素を
否定してきていましたし。
しかしラスト。
ディーンのリアクションには様々な解釈があるでしょうが
カスティエルからの愛情は明確に表現されました。
そして、放映後のジェンセンさんの発言。
カスティエル役のミーシャさんと話し合い、
脚本もほんの少し変えて挑んだとあり、
二人が真剣にカスティエルとディーンの関係に
向き合ってくださったことにうれしく思いました。
コメント
榎本さま
スーパーナチュラルの最終回を調べていて、ここに来ました。
いろいろいつもよりも大変だったみたいですが、キャスの最後の一言には驚きました。彼がディーンを好きなのなのは知ってはいても、それははっきりすることはなく、友愛かなと思っていました。それがあんなにはっきり言ってくれるなんて。ミーシャもキャスは同性愛者と言っていましたので、間違いないでしょう。
と、同時に悲しくもあります。あのアメリカでも男が男に愛してるというのは命がけなんですね。キャスの消滅をかけなければ言えなかった。せめてディーンがなにか言ってくれたらな、と思いました。キャスのことだから、また甦ると思っているのでしょうか。
あー、言いたいことは山のようにあるのに、うまくかけません。
もしよかったら書き込みさせてください。それではありがとうございました。
大北様
メッセージをありがとうございます!
私たちはディーンの態度にもどかしさを感じますけど
とうのカスティエルがディーンの存在こそ幸せっていう天使ですからね~
そうそう、ミーシャさんはカスティエルがディーンを愛していることを認めてましたね!
そしてディーンも自覚してないけれどカスティエルを愛してると言っていたような。
「でないと(S8の)煉獄であんなに必死になる?」とどこかのコンで発言されていた動画を見た覚えがあります。
天国のディーンは、目に入るもの、体に触れるものすべてにカスティエルを感じているんだろうと思いました。
そしてカスティエルも姿を現さなくてもディーンのそばで彼を見守り続けているんだろうと思いました。
榎本さま
返信をどうもありがとうございました。
榎本さんが描くイラストはとてもやわらかく暖かでいいですね。spnのイラストではキャスが好きです。
さて、どうしても引っかかっていることがあります。
それはキャスが告白をしているときに、ディーンはなにもリアクションしなかったことです。ひとが命がけの告白をしているのに、ディーンは戸惑っているようで何も応えていない。ということは、ディーンは今まで知らなかったキャスの気持ちに、ただ驚いていただけなのでしょうか。本当に知らなかったのでしょうか。
だとしたら、キャスがかわいそすぎるー。
煉獄でキャスを見つけたディーンは彼を抱きしめていたけれど、あれは「家族を見つけた」という括りになるような気もしますし。
個人的にはあの二人は恋人のように思ってますけれど、なんか最終回でグラついてしまいました。
なんて立て続けにコメントして申し訳ありません。うるさかったら、無視してください。
大北様
あの場面を初めて見たときに感じたのはまず
ディーンは自分に価値があることを受け入れられないんだな、ってことでした。
自分は無価値だと思っているというか、「俺なんか」っていう自己評価の低さ。
(カスティエルも指摘してましたねー)
だからカスティエルからのまじりけない純粋な愛を言葉にされて当惑したのではないでしょうか。
カスティエルの愛に戸惑ったのではなく、自分自身が愛されていることを信じられないという意味で。
ディーンは女好きだったり恐れ知らずだったりおちゃらけたりって性格ですが
すべて見せかけに感じるんですよね。
彼を守る大切な鎧だから、ちょっとやそっとじゃ崩さない。
だからカスティエルを愛していたとしても、はっきりさせないと思います。
関係が特別になれば「家族」という括りに逃げてしまう。
ま、ピンチのときは行動や態度に愛が出ちゃうんですけど。
カスティエルはああいう性格ですから、その状態でもやってこれましたけど
あの時は明確に愛を言葉で表現したから、ディーンも戸惑って応えられなかったのではないでしょうか。
(もちろん、カスティエルの告白=永遠の別れとディーンが気がついていたことも大きいと思います。
虚無の気配を感じて振り向いたディーンの目は涙でいっぱいになってましたし)
ディーンは複雑なキャラで、考察しがいがありますね~
あとはですね、見終わった後しばらくして感じたのはやはり「忖度」でした。
表現としてあれがぎりぎりだったのかなー、と。
ディーンの同性愛的要素を認められない空気っていうのもあると思うし。
私はジェンセンさんがあのシーンをやってくれたことにも驚きでした。
そういえばカスティエルが告白した時のディーンの言葉、
スペイン語圏では「Yo a ti」(俺もだ)と訳されてましたね。
「Te amo」(お前を愛してる)ではなく「Yo a ti」としたことで、直接的な表現を避け
軽くオブラートに包みつつもディーンの愛も示したかな、と。
スペイン語翻訳を担当された方、きっとSPNに長く携わってきたのでしょうね~。
日本語ではどうだったんだろうと、S15の吹替版を初めて購入してみました。
「やめてくれ、キャス」なんですね。
そして津田さんがステキにカスティエルの告白に声をあてられていて
また泣いてしまいました。
榎本様
ディーンの気持ちの考察、うれしく拝見しました。
たしかに、自分を「卑下して」いる彼ならば、キャスの気持ちにも向き合えなかったのでしょうね。そう考えると納得です。
実は私はつい最近まで、spnから遠ざかっていたんですよね。チャックというか、神が出てきた時点で、これ以上なにをやるんだ、と思ってしまったんです。ついに終結を迎えるという話にもあまり興味を引かなかった。
ところが、一週間ほど前にふと(ほんとうにふと)spnの終わりが気になって、あれこれ調べていたらキャスの告白に出会い、それからはいっきにかつての熱がよみがえったのです。
もともとイケメン兄弟だけにはあまり萌えず、カスティエルが登場してから夢中になったという理由もあるのですが。
spnの三人もスタッフモもよくイベントでこの手の話しは(ホモネタ)していたのですが、さすがに本編のああいう場面で言われると、胸が痛みました。
キャスのディーンへの気持ちに最もやられたのは、7シーズンだったでしょうか。ディーンに助けてもらいたくても、マイホームパパしている彼には何も言えなかったり、必死に謝ってみたりして。ディーンにだけは許して貰いたい、振り向いてもらいたい、というキャスの想いに胸がいっぱいになりました。
しかし、今回の告白は、それを上回るような気がしました。思わず15シーズンの18話は吹き替え版も購入してしまいました。津田さんの「愛しているよ」はよかったですね。
これから15シーズンをゆっくりと見返そうと思います。
ありがとうございました。