いつもは一話ずつネタバレ感想を書いているのですが、今回はディーンのビフォーアフターのコントラストがあまりにもすばらしくて、5話と6話をまとめて書くことにしました。
なにが基準のビフォーアフターかっていうと、カスティエル帰還前と帰還後です。
地の底まで落ちてからの、天の上まで上昇するテンション。
ジェンさんの表情の豊かさに乾杯。
逐一感想
ビフォー:続落する兄貴のメンタル
兄の精神状態が、マジでやばいことに危機感を持った弟がなんとか気分を上げようと
- 朝からビールをすすめたり
- ジャックなしで二人きりの狩りを提案したり
(仲がこじれた夫婦は子供をおいて、まずは二人きりになって話し合うことが定石ですね) - インパラ運転中の懐メロを認めたり
- ペイジ捜査官のFBIバッチを譲ったり
- ランチにチリポテトを頼んだり
とがんばっております。
果ては、ストリップに誘う始末。
およそサムらしからぬ行動を怪訝に思う兄貴。
お前、ストリップが大嫌いじゃないか。
ストリッパーに看護学校に通うように勧めたよな?
苦しんでいるなら僕に頼れ!力になりたい!
たまに兄に対して命令口調になる弟、私は好きです……
こういうのは前だって経験してきたし、いつだって一人でのりきってきた。今回ものりきる
とはいえ………
事件がらみで、霊と話すためと安直に仮死状態になる兄貴は、
死んでもいいと思っているんじゃないかという危うさを感じました。
と思ったら、出会った死神に指摘されてましたね。
「なんてことない顔して、のりきってみせると強がってる。
でものりきれない。無気力な自分がこわい」
と。
メアリーもカスティエルも救えなかったと、精神がズタボロになってる上に、
今回の事件にまきこまれた少年も助けられなかったことで、底の底に落ちたディーンの心。
サムのがんばりさえも、ディーンを疲弊させる材料にしかならないようです。
命乞いはしない。いざぎよく死んでやるよ
異次元への扉と魔王の息子のことをディーンから聞き出した死神は
ウィンチェスター兄弟にはなすべきことがあるので
今日は死なせることはできないとディーンをこの世に帰します。
悪霊を滅し、殺された少年たちの魂を昇天させ、遺体も発見したので
事件は解決したのですが、ディーンはますますダウナーに……。
大丈夫?
いや、全然大丈夫じゃねぇ。その対極にいる
もうどうすればいいかわからない…
達成感がほしい。勝ち星をあげたい
もう、ディーンの表情が……辛そうっていうより空っぽなんですわ。
生気が感じられない、空虚な顔つき。
このままいくと、金属疲労のようにパキッと折れちゃうような脆さというか…。
あぁぁぁぁーーー
と思ったら、ディーンの携帯に一本の電話が入りました。
アフター:天使がログインしました。
電話を取ったディーンの顔が
(゜Д゜)
カスティエル、どうやら自力で町まで出て、公衆電話を見つけて、兄貴に連絡をしたみたい。
インパラが到着して、兄貴が下りてくる背後にね、十字架たっちゃって、もうなんなんすか、ロマンチックすぎるでしょっていう。
兄貴、ずっと(゜Д゜)
宇宙の霊体とやらの眠りをさまたげたから地上に戻されたんだ
こんな説明されても普通はチンプンカンプンだと思う。
お帰りキャス
キャスとハグしあう、兄弟。
ここから兄貴のテンションが爆上げします。
バンカーに戻って、キャスとジャックを対面させます。
ずっとずっと会いたかった
(言い方がめちゃかわいい……)(特に「ずっとずっと」って言うところ……)
ギュッと抱き合う二人が、本当に顔が似てて、親子って感じ。
ジャックは、お留守番中に練習して鉛筆を念力で動かせるようになったらしい(健気)
そしてパソコンを覚えて(健気・2回目)操作して、狩りっぽい事件を探したらしい。
場所はカンザス州ドッジシティ。
西部開拓時代に隆盛を誇った町。
かつては典型的な「西部の無法地帯」で、日ごろから銃の撃ち合いがあった。
ブート・ヒル墓地には当時、実際に起きた犯罪の跡が残されている。
ちなみに名称は人々のほとんどがブーツをはいたまま埋葬されていることによる。
長く放送された西部劇ドラマ「ガンスモーク」のセットがあり、西部開拓時代の街並みが再現されている。
わかりやすくハイテンションになる兄貴。
ベテランハンター2人と、半分天使の小僧と、またもやよみがえったしぶとい天使だろ。最強チームVer2.0!やろうぜ!(大声)
勢いにちょっと引き気味の天使と弟と、なにがなんだかわからないジャックを連れてドッジシティへ。
宿泊先は「ロデオモーテル」
思いっきりウェスタン調の建物です。
ここだ!一番いい部屋みたいだぞ!ワイルドスイート!!な?
壁にかかってる伝説のカウボーイたちの肖像画を指さしてひとりひとり解説する兄貴はたぶん、ジャックが生まれてから初めて見る笑顔じゃないでしょうか。
ディーンはカウボーイが好きなんだね
あぁ、誰にもとめられない
と言葉を交わしていましたが、カウボーイが好きなのはもちろん、カスティエルが帰還して兄貴の精神が安定したからこその大はしゃぎだと思うんですよ、私は。
サムちんも安心ですわ。
そういうの久しぶりだ。笑顔が見られてうれしい。やる気戻った?
勝ち星をあげた。キャスが戻ってきたのは立派な勝ち星だろ?
翌日、サムとジャック、ディーンとカスティエルの二組に分かれて捜査を始めるのですが、カスティエルが席を立とうとしたところ、兄貴が無言でコーヒーを飲む自分を指して、待つように指示するんです。
カスティエルがおとなしく従って席につくと、ゆったりとコーヒーを飲むディーン。
漂うそこはかとない満足感。
やりたかっただけだろ!
その後も、私物のカウボーイハットを被って、「地元感」を出して事件に挑むのですが
カスティエルにもカウボーイハット(モーテルのお土産っぽい帽子)を被らせて
いいか。トゥームストーンから脱け出したようにやれ。映画のアレだ!カート・ラッセルが出てるアレ!
見せてもらった。肺結核のガンマンの話だろ?
いつのまにかディーンはカスティエルに映画を見せたりしてるわけですね。
ディーンのツェッペリンベスト13といい、映像になっていない部分で、いろいろデスティエルな出来事がありそうで本当に油断なりませんね。
しかもこの二人、くだんの映画の主演二人の名前を使ってるところがまたなんともあれですね。
1993年制作の西部劇映画。
有名なOK牧場の決闘と関連の抗争を
伝説の保安官ワイアット・アープと盟友ドク・ホリデイの厚い友情
を絡めて描いている。
ちなみに
ワイアット・アープがカート・ラッセル
ドク・ホリディがヴァル・キルマー
である。
まったくもう……
育児・ぶつかる壁
カスティエルが帰ってきて、兄貴のメンタルが回復し、ジャックも安心感を得、サムちんも喜び、万々歳になるはずだったのですが。
ジャックが家出してしまいました。
狩りの途中、誤って警備員を柱にぶつけてしまい、死なせてしまったことを気に病み、
自分は怪物なんだと落ち込んでいます。(いい子だから…)
このままいたらみんなを殺してしまう。それだけはいやだ。君たちを失えない。君たちしかいないから。……出ていく
と、兄弟と天使をふっとばし(え?)、羽音を響かせて消えてしまったのでした…
雑感
サムとディーンのウィンチェスター兄弟。
一見すると、物腰柔らかで優し気なサムに比べ
兄貴はガサツな言動や荒々しいふるまいで
タフガイに見えますが、
実際のところ、サムのほうがメンタルが安定していて強い……どころか
たまに兄より暴走しがちで、こわいところがある。
そしてディーンは傷つきやすく、脆くて繊細。
たぶん、子ども時代のもろもろ(主にオヤジ)のせいで、自己肯定感がとてつもなく低いんだと思うんです。
だからどんな自分でも受け入れてくれる天使の存在は
ディーンにとって精神安定剤なんでしょうね。
ただ、これも自己肯定感の低い人にありがちだと思うんですが、
一緒にいると、かけがえのない人を雑に扱っていくようになるんですよねー。
いなくなると大慌てになるんだから、大切に接してほしいもんです。
自分勝手な見所
笑
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