ファンタスティック4:ファースト・ステップを見に行きました。
ファンタスティック・フォーといえば、
2005年に「ファンタスティック・フォー 超能力ユニット」
2007年にその続編「ファンタスティック・フォー 銀河の危機」
そして2015年にはリブート版が公開されています。
(2005年版でスーを演じたジェシカ・アルバさんは、当時広告看板で自分の胸がCGで大きくなっているのを見て驚き、車を運転中だったため「事故りそうになった」とか)
アメコミの中では人気のあるタイトルにもかかわらず、ヒットには至らず。
ちなみにこれらはすべてフォックス社制作です。
今回はついにMCU版として再リブートされました。
サンダーボルツがとても楽しかっただけに、自然と期待値も上がっていました。

実は1994年にも映画化されたそうです。
しかし劇場未公開な上、ビデオ化もスルー。
どんな映画だったんだ……
あらすじ
元宇宙飛行士であるリード・リチャーズ、スー・ストーム、ジョニー・ストーム、ベン・グリムの4名は、かつて宇宙ミッション中の事故によって特殊能力を得た。
現在はニューヨークのバクスター・ビルを拠点に、ヒーローチーム“ファンタスティック4”として活動している。
そんな中、スーの妊娠がわかり、チームは喜びに包まれる。
しかし突如として銀色の存在・シルバーサーファーが現れ、地球が“惑星を食らう神”ギャラクタスに狙われていることを告げる。
地球滅亡のカウントダウンが始まる中、彼らは究極の選択を迫られる――「リードとスーの息子・フランクリンを差し出せば、地球を見逃す」というのだ。
感想
おしゃれなレトロ&ヴィンテージ調なビジュアル
予告編のやや褪せた色味、ヴィンテージ感ある雰囲気。
「これは今までのMCUとは違うぞ?」とワクワクしたのを覚えています。
私はてっきり1960〜70年代の地球が舞台なのかと思っていたんですが、どうやら「そもそも別アース」設定らしく、時間軸はさほど意味がないようです。

というか、やっぱりマルチバース設定は生き続けるんですね……
とはいえ、レトロなデザインは一貫していて、過去作になかった“かわいさ”や“おしゃれさ”を感じました。

1970年の大阪万博みたいでした
アクションCGも見応えはありました。

ギャラクタスに漂う大魔神感
ストーリー:雑な展開
いろんなシーンで「いや、待て」と思うことが多く、突っ込みながら観てました。
ギャラクタスの要求をそのままマスコミに発表する馬鹿正直さ。
ていうかそもそも臨月の妊婦を宇宙に行かすな。
暴動寸前の民衆の前に赤ん坊を抱いてスーが現れてスピーチ → 感動 → 解散という流れ。
まるで“感動してくれ”と言わんばかりの演出で、逆に冷めてしまいました。
さらに、「地球をギャラクタスの手が届かない場所に飛ばそう」→ 失敗 → 「じゃあギャラクタスを飛ばそう」って、
いや、闘わんのかい!って心の中でモヤモヤしっぱなしでした。
解決になってないよね、それ。
いい子なキャラが響かない
ストーリーが荒唐無稽でも、キャラクターに魅力があればつっきれる。
映画にしろ漫画にしろ小説にしろ、物語ってそういうところがあるじゃないですか。
しかし、ファンタスティック4は全員、優等生なんですよね。
ジョニーがちょっとチャラいくらいで、それも“品行方正なチャラさ”というか。
結果的に、誰も物語を引っ張ってくれない。
この子はよかった↓
終盤、テレビ出演のために移動していたファンタスティック4と赤ちゃんが緊急出動するシーンで、男性陣がチャイルドシートを取り付けるのに四苦八苦するドタバタ劇が入ります。
一応ギャグシーンのつもりなんでしょうけど、空気が完全に滑ってました。

ていうか緊急出動じゃないのか
肩透かし:エンドロール後の映像
「サンダーボルツにつながるのでは?」という期待は見事に裏切られました。
レトロなアニメが始まって、「このために待たされたの……?」と少しイラっとしてしまいました。
一応ちゃんとドクター・ドゥームはチラッと出てきたけど、またこういう“匂わせ”で終わるのかと。

ちゃんと終わる映画が恋しいです
まとめ:比較される不運もあるけれど…
この映画の最大の不幸は、おそらく『スーパーマン』公開直後に封切られたことかもしれません。

ヒーローの誕生譚をバッサリ省略し、
民衆の支持→裏切り→再支持、という構成。
『スーパーマン』と同じ構造で、ゆえにどうしてもテンポやキャラの濃さを比べてしまう。
正直、私には刺さらなかった作品でした。
でも──
前列で見ていた親子連れのお子さんが「おもしろかったね!」とお父さんに話していたのを目にして、そういう感想も大切だなと思いました。

私にとっては残念な“ファーストステップ”だったけれど、
誰かにとっての大切な“ヒーローとの出会い”だったかもしれない。
それもまた、この映画の価値だと思う。
追記:ひとつの思い出として
私が初めてファンタスティック・フォーを観たのは、2005年版。
当時ハマっていた海外ドラマ『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』に出演していたジュリアン・マクマホンさんがドクター・ドゥーム役で出ているという理由で、劇場に足を運びました。
今回の鑑賞をきっかけに、ふと「今どうしているのかな」と検索してみたところ、彼がこの映画の公開直前に亡くなっていたことを知りました。
あの頃の自分と、このシリーズをつなぐひとつのきっかけでもあった俳優さん。
この場を借りて、ご冥福をお祈りします。
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