リョ三「天赦日」感想

スラムダンク
#SD【腐】 #なにこれ涙が止まらない 天赦日 - モラ都(指木)の小説 - pixiv
三井サンが膝を壊した。 ずっと不安視されていたサポーターを巻いた左膝ではなく、右膝の靱帯を痛めたのだと言う。 そのふんわりと表現された“痛めた”の度合いについて想像することは、それなりの勇気が必要なことだった。無意識に左膝を庇うように重心をかけて極端に激しい動きを続けたことが原因...

内容

NBA宮城×日本プロバスケ三井
感動

あらすじ

バスケの試合中に三井が膝を負傷し、病院で緊急手術を受けることになった。
アメリカにいた宮城は、急きょ日本に帰国し、三井のもとへ駆けつけた。
病室で再会した三井は、バスケ選手としての将来が不透明であるにも関わらず、明るく元気なふるまいを見せていた。
しかし三井のバスケに対する情熱を知っている宮城には違和感があった。

面会時間が終わり、宮城が病室を後にしようとしたとき、三井の表情と早逝した兄の顔が重なる。
宮城は瞬時に三井が「遠く」へ去ろうとしていることを悟り、急いで彼の元へ戻った。
三井を抱きしめ、「ここにいてくれ、どこにも行かないでくれ」と、兄にかつて言えなかった言葉を泣きながら伝えた。
その言葉を聞いた三井から笑顔が消え、代わりに涙がこぼれ落ちた。
二人は抱きあいながら声をあげて泣いた。

その後、三井はリハビリを経て復活を果たす。
ワンシーズンをバスケ選手として活躍した後にきっぱりと引退してから、三井はコーチとしての道を歩み始めた。
これは彼のバスケットボールにかける情熱を別の形で続けていくことを意味していた。
一方の宮城もまた、三井と共に歩むことを選び、彼の傍らで支え続けていた。

感想

タイトルは「天赦日」
万物が許される日です。

高校時代にバスケへ復帰できたことは、三井にとって幸運でした。
しかし三井はずっと自己嫌悪と罪悪感を持ち続けていました。
だから今回の怪我で再びバスケから遠ざかった時、三井は自分が過去にやらかしたことへの贖罪の意味合いをこめて受け入れようとしたのです。
しかし宮城の涙がそうさせませんでした。
諦めて流されるのではなく、嘆いて受け入れて次のステップに踏み出した三井。

私は文中の「昨日死にたいと絶望して、今日もっと行きたいと思えて、明日また不安になって、その繰り返しで生きていくのが人というものだ」がとても好きです。
三井は気持ちを切り替えて復活へ歩を進めましたが、人の気持ちと言うのは日々変動するもの。
決心したものの一人辛くなり落ち込む夜もある……そんな感情の不安定さを許してくれる優しい表現だと感じるからです。

「KOTOBUKI JAPAN」はありそうで、思わずニヤリとしちゃいますね!
それでも「輝かしい三井という男の人生のほんの数ページに過ぎないことなのである」という描写が、三井がここで終わらない男だということが予感できてワクワクします!
同時に、この物語が三井と宮城の関係を描いた一つのエピソードで、きっと二人の人生にはこれからも多くのページがあるということなんでしょうね。

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